はじめに
マチュ・ピチュはペルーのアンデス山脈に位置する、インカ帝国時代の遺跡です。1983年にユネスコの世界遺産に登録され、その美しい景観と壮大な遺構は世界中から注目を集めています。今回のブログでは、マチュ・ピチュの歴史、建造物、観光情報などについて詳しく解説していきます。
マチュ・ピチュの歴史
マチュ・ピチュは15世紀にインカ帝国によって建設された都市遺跡です。その目的については諸説ありますが、貴族の別荘や宗教的な聖地、防衛拠点などの機能を果たしていたと考えられています。
建設の背景
マチュ・ピチュが建設された理由については、さまざまな説があります。ひとつは、インカ帝国の支配者であるパチャクティ9世の命により、避暑地や別荘として建てられたという説です。また、太陽の神プンチャウ・カミャックを崇拝する宗教的な聖地であったという説もあります。
その立地も特殊で、標高2,430mの山頂に建てられています。この高地は太陽観測に適しており、宗教的にも重要な場所であったと言われています。さらに、険しい山々に囲まれた要塞のような地形は、防衛面でも有利でした。
発見までの歴史
マチュ・ピチュは1572年にスペイン人によってインカ帝国が征服された後、完全に放棄されてしまいました。そして400年近くの長い年月が経過した1911年、アメリカの探検家ハイラム・ビンガム3世によって再発見されました。
当初、ビンガムはマチュ・ピチュを「ウィナ・ピチュ(古い町)」と呼びましたが、後に「マチュ・ピチュ(古い山の峰)」と改名されました。遺跡の発見以降、本格的な発掘調査が行われ、インカ文明の解明に大きく貢献しました。
マチュ・ピチュの主な建造物
マチュ・ピチュには、インカ人の高度な建築技術が遺された多くの建造物が残されています。ここでは、その中でも代表的な建造物について紹介します。
太陽の神殿
太陽の神殿は、マチュ・ピチュの中心的な建造物です。精巧な石積み技術で造られた建物で、夏至と冬至の日に太陽の光が差し込む仕組みになっています。太陽神を崇拝する儀式が行われていたと考えられています。
建物の内部には、太陽の円盤が描かれた壁画が残されているほか、天体観測に使われた穴もあります。太陽の神殿は、インカ文明の高度な天文学的知識を物語る建造物として有名です。
インティワタナ
インティワタナは、マチュ・ピチュにある4つの石柱の総称です。これらの石柱は、太陽暦を読み取るための日時計の役割を果たしていたと考えられています。
石柱の影の動きから、季節の変化や夏至・冬至の日を正確に特定できたそうです。このように、インカ人は高度な天文学的知識を持っていたことがうかがえます。
王女の館
王女の館は、その名の通りインカの王女が住んでいた場所だと言われています。この建物には、浴場や個室、中庭などが備わっており、王族の館にふさわしい立派な造りとなっています。
館内には、レリーフや彫刻、装飾品なども残されており、インカ文化の芸術性の高さがうかがえます。また、王女の館から眺める景色も絶景として知られています。
マチュ・ピチュへのアクセス
マチュ・ピチュへは、まずペルーの旧首都クスコまで行く必要があります。クスコからはさまざまな交通手段を組み合わせて遺跡に向かいます。
列車によるアクセス
クスコからマチュ・ピチュ遺跡最寄りのプエブロ駅までは、観光列車が運行されています。所要時間は約3時間半で、途中の景色を楽しむこともできます。プエブロ駅からは徒歩かバスで遺跡へと向かいます。
列車の運行本数は限られているため、事前に切符を確保する必要があります。日本からの旅行会社のツアーに参加するのも手軽な方法でしょう。
ハイキングルート
マチュ・ピチュまでは、インカ道とよばれる古代の道を歩くハイキングコースもあります。所要時間は4日間程度で、途中にインカ遺跡が点在しています。
ハイキングは体力が必要となりますが、インカ文化に触れながら豊かな自然を満喫できるため、人気のルートです。ツアーに参加するのがおすすめです。
ヘリコプターによるアクセス
マチュ・ピチュまでヘリコプターで向かうこともできます。所要時間はわずか30分ほどで、遺跡の景色を空から一望できるのが醍醐味です。
ただし、ヘリコプターはプライベートチャーターとなるため、料金が高額になります。時間的な制約がある方などは検討してみる価値がありそうです。
マチュ・ピチュ観光の見どころ
マチュ・ピチュには、多くの観光スポットが点在しています。有名なものをいくつかご紹介しましょう。
インカ橋
インカ橋は、マチュ・ピチュの入り口付近にある石橋です。この橋を渡ると、まさに別世界に足を踏み入れたような気分になれるでしょう。
橋の上から望む絶景は、マチュ・ピチュ観光の醍醐味と言えます。ガイドによると、橋の手すりの高さは子供の身長に合わせて造られていたとか。
テラス畑
マチュ・ピチュの中心地には、幾重にも重なった段々畑が広がっています。これらは、インカ人が農業に利用していた広大なテラス畑の跡です。
標高や向きに合わせて畑が造られており、土壌浸食を防ぐなど合理的な設計になっていました。当時の先進的な農業技術が垣間見れる貴重な遺構です。
クアルトデルミリョン
「百万ドルの部屋」と呼ばれるクアルトデルミリョンは、マチュ・ピチュで最も整備された場所の一つです。この部屋の周囲は、精巧に組み合わされた石造りの壁で囲まれています。
遺跡発見当初、この部屋は森に覆われており、発掘に百万ドル近い費用がかかったことから名付けられました。重厚な石の美しさに圧倒されることでしょう。
まとめ
マチュ・ピチュは、インカ文明の頂点を極めた遺跡として知られています。世界に残された稀有な文化遺産であり、その建造物の素晴らしさは言葉を失うほどです。
一方で、マチュ・ピチュにはまだ多くの謎が残されています。誰が、どのような目的で建設したのか。高度な石積み技術はいかにして生み出されたのか。解明されていない部分も多くあります。
マチュ・ピチュを実際に訪れ、その雄大な景観に触れることで、さらなる興味が湧いてくることでしょう。世界遺産に心を奪われる体験を、ぜひ味わっていただきたいと思います。
よくある質問
マチュ・ピチュはどのようなところですか?
マチュ・ピチュは15世紀にインカ帝国によって建設された遺跡で、ペルーのアンデス山脈に位置しています。1983年にユネスコの世界遺産に登録され、その美しい景観と壮大な遺構は世界中から注目を集めています。
マチュ・ピチュはどのように建設されたのですか?
マチュ・ピチュの建設理由については諸説ありますが、避暑地や別荘、宗教的な聖地、防衛拠点などの機能を果たしていたと考えられています。特に、標高2,430mの山頂に建てられているという立地の特殊さが注目されています。
マチュ・ピチュの主な見どころは何ですか?
マチュ・ピチュには、太陽の神殿やインティワタナ、王女の館などの代表的な建造物が残されています。これらの建物には、インカ人の高度な建築技術や天文学的知識が凝縮されています。また、テラス畑やインカ橋など、インカ文明の歴史を物語る遺構も見どころの一つです。
マチュ・ピチュにはどのようにアクセスできますか?
マチュ・ピチュへは、クスコからの列車やハイキングコース、ヘリコプターなど、さまざまな交通手段が利用できます。列車は観光列車も運行されており、景色を楽しみながらアクセスできます。ハイキングは体力が必要となりますが、インカ文化に触れながら豊かな自然を満喫できる人気のルートです。
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