はじめに
子育ては夫婦で協力し合うことが大切です。アメリカでは、父親の育児参加が当たり前の文化となっており、母親と協力しながら子育てを楽しむことが一般的です。本博客では、アメリカにおける父親の役割と子育て観について、さまざまな側面から探っていきます。
アメリカと日本の父親の子育て参加の違い
アメリカと日本では、父親の子育てへの関与度合いが大きく異なります。この違いを理解することが重要です。
アメリカの父親は子育て当事者
アメリカでは、父親が子育ての当事者として積極的に関与することが一般的です。父親は、妊娠期から出産後まで母親をサポートし、おむつ替えや寝かしつけなどの育児に協力します。家事全般や健診への同行など、母親と二人三脚で子育てを行います。
多くのアメリカ人は、子育ては両親で協力し合うものと考えており、父親の意見が重要視されています。父親の役割は大切な存在として位置づけられています。
日本の父親の子育て参加は「手伝う」感覚が強い
一方、日本では父親の子育て参加は、母親の家事や育児を「手伝う」という感覚が強いようです。仕事が忙しく、家庭での子育てに十分な時間を割くことができないのが現状です。
近年「イクメン」という言葉が流行していますが、アメリカと比べると父親の子育て参加はまだ低い水準にあります。母親が主体的に子育てを担い、父親はサポート的な役割に留まっているケースが多いと言えます。
アメリカの父親の子育て参加を後押ししている要因
- フレックス制の普及により、仕事と育児の両立がしやすい
- 育児休暇制度が整備され、父親の休暇取得が奨励されている
- 共働き家庭が一般的で、夫婦で育児や家事を分担する意識が高い
- 子供の健全な成長には両親の関与が重要だと考えられている
アメリカにおける父親の子育て参加の変遷
アメリカでは、父親の子育て参加が時代とともに大きく変化してきました。その変遷を振り返ることで、現在の状況をより深く理解できます。
1970年代後半までの父親像
1970年代後半までの映画作品では、母親は「フェミニズムに目覚めてキャリア・ウーマンとなり、子育ての責任を放棄した」女性としてステレオタイプ的に描かれ、父親と子供の絆を脅かす存在として描かれていました。
当時の父親は、子育てに積極的に関与する姿勢は乏しく、母親主体の子育てが一般的でした。
1970年代後半以降の父親像の変化
1970年代後半から、子育てをする父親が大きく取り上げられるようになりました。父親の育児参加が注目を集め始めたのです。
専業主夫の割合も1989年の4%から2016年には24%に上昇しています。また、父親の1週間当たりの子育て時間も1965年の約3倍の8時間に達しています。このように、アメリカでは父親の子育て参加が活発化してきました。
育児参加を後押しする社会的潮流
- 共働き家庭が増加し、両親で子育てを行う必要性が高まった
- フェミニズムの影響で、男女の役割分担観が変化した
- 企業による育児休暇制度の整備が進んだ
- 子育てをアイデンティティーの重要な要素と捉える意識が高まった
アメリカの父親の子育て参加の実態
アメリカで父親の子育て参加が進んでいることは分かりましたが、実際にどのような場面で父親が関与しているのでしょうか。具体的な実態を見ていきましょう。
プリスクールや学校行事への参加
アメリカでは、父親がプリスクールの送迎や学校行事に参加することが当たり前になっています。毎月行われる親参加型の行事には、両親そろって参加することが一般的です。
サンフランシスコのプリスクールでは、父親が仕事を休んでも子どもの成長に関わることが常識化しています。父親の学校行事参加は、子どもの社会性や精神面に良い影響を与えると研究でも明らかになっています。
子どもの習い事の送迎や付き添い
アメリカの父親は、子どもの習い事の送迎や付き添いにも積極的に関わっています。フレックス制が浸透しており、時間に融通が利きやすいワークスタイルが背景にあります。
一方、日本では母親が時短勤務を選択し、送迎や夕食の準備などを担うケースが多いようです。しかし、コロナ禍で在宅勤務が増えたことで、日本でも父親の子育て参加が高まっている可能性があります。
娘との絆を深める取り組み
アメリカでは、父親と娘の絆を深めるための取り組みも見られます。「ティーパーティー」などのプログラムが人気を集めており、父娘で食事に行く光景も一般的です。
日本では、まだ父親が娘と過ごす機会は少ないようですが、父娘関係の大切さが認識されつつあります。アメリカのような取り組みを参考にしながら、日本でも父娘の絆を深める試みが広がることが期待されます。
多様な家族形態への対応
アメリカでは、近年、同性愛者や多様な家族形態が増えてきました。子育ての現場でも、このような変化に対応する必要が生まれています。
3人の父親による子育て
一部の州では、3人の親が平等に子育てを行うことが認められています。カリフォルニア州では、男性3人で子育てをする「スラプル」と呼ばれる家族がいます。3人は法的手続きを経て「ローラム」という姓を名乗り、1歳の女の子を養子縁組で迎えました。
また、異性カップルに男性が加わった3人親家族もあります。6歳の女の子の養父として加わり、3人で子育てを協力して行っています。このように、アメリカでは多様な家族形態が受け入れられ、子育てに関する選択肢も豊かです。
フォトグラファーが捉えた多様な父親像
フォトグラファーのGiedre Gomesさんは、様々な父親の姿を撮影しています。彼女によると、良い父親も悪い父親もいない、と言います。子どもを愛し、自分ができる範囲で一生懸命に子育てをしている父親たちは、みな素晴らしいのだそうです。
Gomesさんの作品から、アメリカでは多様な家族形態が広く受け入れられ、あらゆる父親の姿が尊重されていることがうかがえます。
まとめ
アメリカと日本では、父親の子育て参加に大きな違いがあることが分かりました。アメリカでは、父親が子育ての当事者として母親と協力しながら子育てを楽しむことが一般的です。一方、日本では母親主体の子育てが主流で、父親は「手伝う」立場にあります。
しかし、近年のアメリカでは、フレックス制の普及や育児休暇制度の充実により、父親の子育て参加がさらに進展しています。同時に、同性愛者や多様な家族形態への対応も進んでいます。
日本でも、父親の意識改革や職場環境の整備により、父親の子育て参加が増えていくことが期待されます。両親が協力し合うことで、子どもの健やかな成長が促され、家族の絆も深まるはずです。アメリカの先進的な取り組みは、日本の子育て環境を改善する上で参考になるでしょう。
よくある質問
アメリカの父親は子育てに積極的に参加しているの?
アメリカでは、父親が子育ての当事者として母親と協力しながら子育てを楽しむことが一般的です。父親は妊娠期から出産後まで母親をサポートし、おむつ替えや寝かしつけなどの育児にも協力します。家事全般や健診への同行など、母親と二人三脚で子育てを行います。
日本の父親はどのように子育てに参加しているの?
一方、日本では父親の子育て参加は「手伝う」感覚が強く、仕事が忙しく家庭での子育てに十分な時間を割くことができないのが現状です。母親が主体的に子育てを担い、父親はサポート的な役割に留まっているケースが多いと言えます。
アメリカで父親の子育て参加が進んでいる背景には何があるの?
アメリカでは、フレックス制の普及により仕事と育児の両立がしやすい育児休暇制度が整備されており、父親の休暇取得が奨励されています。また、共働き家庭が一般的で、両親で子育てを行う意識が高いことも要因の一つです。さらに、フェミニズムの影響で男女の役割分担観が変化し、子育てをアイデンティティーの重要な要素と捉える意識が高まっています。
アメリカではどのように父親と子供の絆を深めているの?
アメリカでは、父親と娘の絆を深めるための取り組みも見られます。「ティーパーティー」などのプログラムが人気を集めており、父娘で食事に行く光景も一般的です。一方、日本では父親が娘と過ごす機会は少ないようですが、父娘関係の大切さが認識されつつあります。
コメント