はじめに
現代社会において、育児と仕事の両立はワーキングママにとって大きな課題となっています。子育ての喜びと責任に加え、仕事上の要求などで心身ともに疲弊し、うつ病に陥るリスクが高まっています。本日は、この重要なテーマについて詳しく見ていきます。
ワーママのメンタルヘルス
育児と仕事の両立は、ワーキングママの心身に大きな影響を及ぼします。心理カウンセラーの下園壮太氏によると、ワーママは以下の4つの悩みに陥りやすいとのことです。
自責感
子育てと仕事の両立に悩むワーママは、自分を責める傾向にあります。「十分な時間を子どもにかけられない」「仕事に集中できない」などの思いから、自信を失ってしまうのです。
しかし、一人で全てを完璧にこなそうとするのは無理な話です。周囲の支援を上手に活用し、自分自身に厳しすぎないことが大切になります。
疲労
家事、育児、仕事と、ワーママは日々多くの負担を抱えています。睡眠不足や休養不足から、徐々に疲労が蓄積していきます。そうした疲労が引き金となり、うつ症状に陥る危険性が高まるのです。
疲労対策としては、定期的に息抜きの時間を作ることが重要です。家族や友人、ベビーシッターなどに協力を求め、自分のための時間を確保することをおすすめします。
不安感
子育ての先が見えず、将来への不安を抱えるワーママも多くいます。「育児は上手くできるだろうか」「子どもの教育はどうしたらいい」といった疑問から、不安定な心理状態に陥りがちです。
このような不安は、友人や専門家に相談することで解消される場合が多くあります。一人で抱え込まず、周りの人々の助言を求めることが大切なのです。
うつ状態
上記の悩みが重なり、最悪の場合はうつ状態に陥ってしまいます。動機付けの低下、イライラ、食欲不振など、様々な症状が現れます。
うつ状態に陥った場合は、一刻も早く専門家に相談することが不可欠です。ワーママ自身だけでなく、子育てにも深刻な影響が出るため、適切な治療を受けることが重要となります。
父親のメンタルヘルス
育児と仕事の両立で悩むのは母親だけではありません。近年、父親の育児参加が進む中で、父親の産後うつも深刻な問題視されるようになってきました。
父親の産後うつ
産後うつは母親だけでなく、父親にも起こり得る精神疾患です。子育ての大変さ、仕事との両立の難しさ、サポート体制の不足などが要因として指摘されています。
症状としては、母親とよく似た「憂うつな気分」「不眠」「イライラ」などがみられます。男性は症状を認めづらい傾向にあるため、早期発見が難しい面もあります。
支援の必要性
父親の産後うつについては、一般的な認知度が低く、支援体制が十分に整っていないのが現状です。男性は「強くあれ」といった固定観念から、専門家に相談するハードルが高くなっています。
そのため、男性向けの子育てセミナーの開催や、企業における育児支援制度の充実など、社会全体で父親を支える取り組みが必要不可欠となっています。
職場復帰と育児ストレス
ワーママが最も深刻なストレスを感じるのが、職場復帰の時期です。育休明けに仕事と育児の両立に直面し、心身ともに追い詰められがちなのです。
仕事量の増加
近年は男女雇用機会均等法の影響で、復職後の女性の仕事量が増加しています。「マミートラック」に乗せられるのではなく、男性と同等の業務を任される傾向にあります。
しかし、家事や育児の負担は変わらず、結果的に女性の労働時間が長時間化しています。この二重の負担が、ワーママの心身を蝕っているのが実情です。
睡眠不足の深刻化
育児に加え、仕事の量も増えることで、睡眠不足が深刻化します。慢性的な睡眠不足は疲労を蓄積させ、うつ症状のリスクを高めてしまいます。
このため、復職後1年間は「試運転期間」と考え、無理のない範囲で仕事と育児をこなすことが重要です。夫や両親、ベビーシッターなどに協力を求め、睡眠をしっかりと確保することが肝心なのです。
支援制度の不足
ワーママを支える制度が不足していることも、大きな問題点です。育児休暇や短時間勤務制度は整備されつつあるものの、長時間労働を前提とした職場環境が変わっていません。
企業には、在宅勤務の促進やフレックスタイム制の導入など、働き方改革を推進することが求められています。また、政府には、家事代行サービスなどの経済的支援策を拡充する必要があるでしょう。
コロナ禍の影響
新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、ワーママの負担をさらに大きくしました。在宅勤務や子どもの休校などで、仕事と育児を同時にこなさなければならない環境に直面しているのです。
在宅勤務の課題
在宅勤務は感染リスクを下げる一方で、新たな課題も生み出しています。育児と仕事の切り分けが難しく、集中力の欠如や睡眠不足が深刻化しがちです。
在宅勤務中のワーママは、部屋を分けるなどして仕事と育児の境界線を作ることが重要です。また、タイムマネジメントを意識し、無理のない範囲で仕事に取り組むよう心掛ける必要があります。
子どもの休校問題
学校の臨時休校で、子どもの面倒を見なければならないワーママの負担が増しています。勉強のフォローに加え、遊び相手になるなど、育児に専念せざるを得ない状況です。
この問題を解決するには、政府による学童保育の拡充や、オンライン授業の充実など、教育支援策が欠かせません。企業側も、ワーママの在宅勤務を柔軟に認める必要があるでしょう。
感染への不安
家族の健康を守るため、ワーママは感染症への不安にも怯えています。特に、基礎疾患を抱える家族がいれば、その不安はさらに大きくなります。
このような不安を和らげるには、企業による感染症対策の徹底が不可欠です。在宅勤務の推奨や、マスクの支給、換気の徹底など、感染リスクを最小限に抑える取り組みが期待されています。
まとめ
育児と仕事の両立は、ワーキングママだけでなく父親にとっても大きな課題となっています。仕事と家庭の調和を図るには、個人だけでなく企業や社会全体でのサポートが欠かせません。
政府は子育て支援策の拡充、企業は働き方改革の推進、そして個人は無理のない範囲での仕事と育児の両立を心がける必要があります。メンタルヘルスケアへの理解を深め、全ての人が安心して子育てできる社会を実現することが求められているのです。
よくある質問
ワーキングマザーがうつ病に陥りやすい理由は何ですか?
ワーキングマザーは自責感、疲労、不安感といった悩みに陥りやすく、これが重なることで最悪の場合はうつ状態に陥る危険性が高まります。仕事と家事・育児の両立の大変さから心身ともに疲弊し、適切な休養が取れないことが主な要因とされています。
父親の産後うつはどのような問題点がありますか?
父親の産後うつは近年問題視されるようになってきました。子育ての大変さ、仕事との両立の難しさ、サポート体制の不足などが要因とされています。男性は症状を認めづらい傾向にあるため、早期発見が難しい面もあり、支援体制の整備が急務です。
ワーキングマザーが職場復帰時に直面する課題は何ですか?
職場復帰時は仕事と育児の両立に直面し、心身ともに追い詰められがちです。仕事量の増加、睡眠不足の深刻化、支援制度の不足など、様々な問題に直面することが指摘されています。復職後1年間は「試運転期間」と捉え、無理のない範囲での両立が重要です。
コロナ禍でワーキングマザーはどのような新たな課題に直面しているのですか?
在宅勤務による仕事と育児の境界線の曖昧さ、子どもの休校に伴う育児負担の増加、感染への不安など、ワーキングマザーはこれまで以上に大きな課題に直面しています。企業による柔軟な対応や、教育支援策の充実が求められています。
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